2012年08月15日

8・13 さよならも言わずに・・・

 8月11日。


 ナゴヤ球場はいつものように試合が始まりました。いつものように、稲葉光雄投手コーチは、記者席の前列中央に座り、ヤンドラ投手たちの投球をチェック。いつものように終わるはずでした。

 
 2回裏、ドラゴンズが赤坂和幸選手のソロホームランで先制。これがプロ初ホームランとわかると、、


稲葉コーチ「お~、今日のヒーローインタビューは、赤坂で決まりだね。良かったね!」

 横に座る私に、笑顔で話しかけてくれました。
 

 ところが、


 3回表終了したかしないかのタイミングで、、、「気持ち悪い・・・」と、席を立たれ、「右手の感覚がない」状態に。これは尋常ではないと、救急車で病院に搬送されたのです。


 その後ナゴヤ球場は天候が悪化。見る見る間に暗くなってバックスクリーン後ろに稲妻が走りだしました、、、、。なにかがおこっている。。。


 最悪の報告が待っていました。朝、元気にノックし、さっきまで大声で話をしていたのに、、。




 翌朝、





 選手たちは静かに試合に備えました。それでも戦わないといけないからです。それがプロだから。


 先発した西川健太郎投手は、心を落ち着かせるのも大変だったと思います。勿論どの選手も。。。そして、、、なにより、一緒に現役時代を戦ってきた鈴木孝政監督が、一番つらかったでしょう。

鈴木監督「生き生きとプレーしろ、自分たちらしく戦え。」


 こう言って選手をおくりだしました。あとは言わなくても選手がやってくれると。


 ベンチには稲葉コーチのユニフォームが掲げられ、心を一つにして戦い、6-3で勝利。




















鈴木監督「試合中、ベンチにセミが飛んできてね。羽の透明な・・。ずーと留まってんだよ。知らない間にいなくなったかと思ったら、9回には蝶々がとんできた。。あれ、稲葉さんだったんだね。ずっとみててくれてた。

 今日はつらかった・・・。ほんとうにつらかった・・・。でもいい試合だった。誰をみてもやってくれると思ってたよ。平田の代打なんて、ベンチから出て行く背中がいつもと全然違った、、‘絶対打つ’っていってた。」



 そして、この試合で初・猛打賞を記録した選手がふたり。1人は森越祐人選手。残留した時、稲葉コーチにお世話になった選手です。



















森越選手「ぼくね、なぜか1年目から稲葉さんに‘もりこ’とか言われて、気にかけてもらってて。投手コーチだからあまり接点ないはずなのに、すれ違うたびに言われたり、お尻たたかれたりするんだ。今日最高の結果がでて、常にこの気持ちでやり続ければいいなと。どこかでみてると信じて頑張りたい。」



 もう一人は、投手から野手に転向した赤坂和幸選手。



赤坂選手「今日は、ふわふわした気持ちだったけど切り替えて、いい結果がでるよう集中してやりました。投手のときにお世話になったし、僕がしっかり結果を出して、支配下になって、1軍で活躍するようにならないと供養にはならないと思う。」


 実は、稲葉コーチが最後に喜んだシーンは、あの、赤坂選手が打ったプロ初ホームランでした。













(ピントがあってなくてすみません)






試合前そのことを伝えると、、目がみるみる真っ赤になり、今にもこぼれてきそうな涙をこらえて、

赤坂選手「絶対背番号二桁にしますからっっ。今日も頑張ります!!」と、、。




















 有言実行。見事、コーチの期待に応えたのです。


鈴木監督「稲葉さんが一番喜ぶのは、1人でも、1日でもいいから、ここにいる選手が1軍の試合に出ること。活躍することしかないんだからね。

 みんないろんなことを教わったと思うから、それを忘れないで頑張って欲しい」



 2009年からドラゴンズのユニフォームを再び身にまとい、若手を中心に厳しく、時に優しく指導してきた稲葉コーチ。

 そして、偶然にも、時を同じくして入団した伊藤準規投手は、稲葉さんがつけていた背番号「18」を引き継ぎました。

 怪我のリハビリから始まったじゅんき投手は、ほぼ毎日稲葉コーチが付きっきりでした。焦って落ち込む彼を忍耐強く励まし、指導されてきたのです。





















じゅんき投手「僕は1~10までの基礎から応用と、全部稲葉さんに教えてもらってきました。怪我が治った今でも、調子が悪ければ、どの部分が悪いのか基本に戻って練習できるのも、稲葉さんのおかげです。

 ‘おまえが投げられるのはわかってるから、何故打たれるのか考えてみろ’ってよく言われましたね。それと、、‘オレの18番、頼んだぞ!’と。いつもハッパかけられてました。稲葉さんのように、名前が残る投手になるよう頑張らないといけませんよね。

 でもいないって、、まだ実感がないので、、、。ずっとみててくれてると思ってます。」





 姿は見えなくても、グラウンドのどこかで、時に叱り、時に励まし、1軍に上がる選手に拍手を送っているはずです。




‘野球の基礎はキャッチボール’‘1球の重み’‘勝ちにこだわれ’そして‘強い意志’



 ヤンドラたちが、グラウンドで躍動することを何よりも願っている稲葉光雄コーチ。どうか安らかにお眠りください。



 そして、、、、
  

 たくさんの愛情をありがとうございました。



 













  続きを読む

Posted by 燃えドラ! at21:34
Comments(3)  |TrackBack(0)  |若ドラ

この記事へのトラックバックURL

http://moedora.mediacat-blog.jp/t81826

この記事へのコメント

こんばんは。

14日にナゴヤドームにて、記帳だけですがさせていただきました。

いつか屋内練習場見学会に参加させていただいたとき、若手投手たちが正座して稲葉コーチの話を聞いている姿を目にしたのを思い出しました。

気にかかる選手、心配でならない選手、たくさんいたことと思います。彼らが一軍で結果を出してくれること、それが稲葉コーチが一番喜んでくださることではないでしょうか。

まだまだ現場で若い選手を指導してほしい気持ちはありますが、まずはお疲れさまでした。

合掌

Posted by まめはる at 2012年08月15日 23:22

私も稲葉コーチの訃報を知った時は涙が出てきました。

稲葉コーチと初めてお話をさせてもらったのは、去年の掛川の試合の時でした。

それ以来、私が静岡在住ということもあり、ナゴヤ球場ではよく声をかけていただきました。

いつも厳しくも、優しい眼差しで若手の指導をしていたのを見て、
こんないい先生に指導してもらってうらやましいなぁー
と思ってました。

ただ、本当に突然で、
ただただショックです。

稲葉コーチが全力で指導していた若手選手には、

Posted by ヒロミ at 2012年08月16日 18:00

稲葉コーチが教えてきたことをしっかり守って、
1日でも早く一軍で
活躍してほしいです。

がんばれ!ヤンドラ!!

稲葉コーチのご冥福を心からお祈りいたします。

Posted by ヒロミ at 2012年08月16日 18:03

上の画像に書かれている文字を入力して下さい

このページの先頭へ